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アフターピル飲んだのに妊娠?失敗談|確率・原因・サインと対処法

アフターピルを服用したのに、「もしかして妊娠したかも…」という不安に襲われている方もいるかもしれません。緊急避妊薬として知られるアフターピルですが、残念ながら100%避妊できるわけではありません。この記事では、アフターピルを飲んだのに妊娠してしまったという「失敗談」の真実と、実際に妊娠する確率、失敗してしまう主な原因、そして妊娠のサインについて詳しく解説します。もし失敗したかも、と感じた時にどう対処すべきか、そして失敗を防ぐための対策についてもご紹介します。不安な気持ちを抱え込まず、正しい情報を得て、適切な行動をとることが大切です。

アフターピル飲んだのに妊娠?失敗談の真実と確率

アフターピルは、望まない妊娠を防ぐための緊急手段として広く知られています。しかし、「アフターピルを飲んだのに妊娠した」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。これは事実であり、アフターピルが必ずしも妊娠を防げるわけではないことを示しています。

アフターピルを飲んでも妊娠する可能性はゼロではない

アフターピルは、主に排卵を抑制したり、受精を妨げたりすることで妊娠を防ぎます。しかし、これらの作用はすべてのケースで100%機能するわけではありません。特に、すでに排卵が起こってしまっている場合や、受精が成立してしまった後では、効果が限定的になることがあります。

日本産科婦人科学会の指針[1]でも述べられている通り、緊急避妊法(EC)は、避妊せずに(または不十分な避妊で)行われた性交の後に緊急避難的に用いるものであり、性交前に計画的に妊娠を回避する通常の避妊法とは根本的に異なります。「最後の避妊手段」とも呼ばれるように、あくまで緊急時の対応策です。

アフターピルにはいくつかの種類があり、それぞれ推奨される服用時間や避妊成功率が異なります。現在日本国内で主に処方されているのは、レボノルゲストレルを主成分とする製剤と、エラ(ウリプリスタル酢酸エステル)を主成分とする製剤です。これらの薬も、高い避妊効果が期待できますが、万能ではありません。

「失敗談」が存在するのは、アフターピルが持つこれらの限界によるものです。避妊効果は非常に高いものの、完全にゼロではない妊娠の可能性が、実際に失敗という形で現れることがあります。

アフターピルで避妊に失敗する確率

アフターピルの避妊成功率は、性行為から薬を服用するまでの時間や、服用した薬の種類によって大きく変動します。

一般的に、性行為からの時間が短いほど、避妊成功率は高くなります。

アフターピルの種類 主成分 推奨される服用時間 主な作用メカニズム 避妊成功率(目安) 失敗率(妊娠率)目安 参照元例
レボノルゲストレル錠 レボノルゲストレル 性行為後72時間以内(早いほど効果が高い) 排卵抑制、子宮内膜の変化(着床阻止の可能性) 72時間以内:約85%
24時間以内:約95%
全体:約2% [2]24時間以内:0.4% [2]25-48時間:1.2% [2]49-72時間:2.7% [2] [2]
エラ錠 ウリプリスタル酢酸エステル 性行為後120時間以内(5日以内) 排卵抑制、排卵後の卵胞成長抑制 120時間以内:約98% 約2% (一般的なデータ)

※避妊成功率は性行為からの時間経過などによって変動します。これらの数値は、あくまで臨床試験に基づいた統計的なデータであり、個々のケースで成功率を保証するものではありません。

例えば、レボノルゲストレル錠を24時間以内に服用した場合でも、約5%の人では妊娠に至る可能性があるということになりますが、ある医療機関の報告では、24時間以内の服用であれば妊娠率は0.4%と非常に低いというデータもあります[2]。しかし、服用が遅れるにつれて失敗率(妊娠率)は上昇し、49~72時間以内での服用では2.7%になるとの報告もあります[2]。エラ錠の場合でも、約2%の確率で妊娠する可能性があります。

失敗する確率自体は低いものの、完全にゼロではないため、「アフターピルを飲んだのに妊娠した」という失敗談は、この統計的な確率の中で起こりうる現実なのです。

アフターピル飲んだのに妊娠した人のケース(知恵袋などから見る傾向)

インターネット上の質問サイト(知恵袋など)やSNSでは、「アフターピルを飲んだのに妊娠した」という体験談が多く見られます。これらの個人的な体験談から、失敗の傾向として以下のようなケースが散見されます。

  • 服用が推奨される時間を過ぎてしまったケース: 性行為から72時間や120時間を大幅に超えてから服用した場合、薬の効果が十分に得られず妊娠に至る確率が高まります。
  • 服用後に吐き戻してしまったケース: 薬の成分が体内に十分に吸収される前に吐いてしまった場合、効果が著しく低下する可能性があります。特に服用後数時間以内の吐き戻しは注意が必要です。
  • アフターピル服用後に再び避妊なしで性行為をしてしまったケース: アフターピルの効果は、あくまで服用前の性行為に対してのみ有効です。服用後に新たな性行為を避妊なしで行うと、その性行為によって妊娠する可能性が十分にあります。実際、緊急避妊法後に次回予定月経まで性交しなければ妊娠率1.1%であるのに対し、性交してしまうと2.7%に上昇したという報告もあります[2]。
  • 生理周期の排卵日付近で性行為があったケース: アフターピルは排卵を抑制する効果がありますが、すでに排卵済みの場合や排卵が迫っている場合には、その効果が期待できないことがあります。排卵日付近での服用は、他の時期に比べて失敗リスクがやや高まる可能性が示唆されています。
  • 体格や体質による影響(可能性): ごく稀に、薬の代謝や吸収に個人差があり、効果に影響が出る可能性も考えられますが、これは特定の医学的知見に基づくものではなく、一般的な失敗原因としては挙げられにくいでしょう。

これらの体験談はあくまで個人の報告であり、医学的な診断や根拠を示すものではありません。しかし、多く見られる傾向を知ることは、正しい服用方法や注意点を理解する上で参考になります。もしご自身の状況がこれらのケースに当てはまる、あるいは不安を感じる場合は、自己判断せずに専門家である医師や薬剤師に相談することが非常に重要ですし、可能な限り早めの受診が推奨されます[2]。

アフターピルが失敗する主な原因

アフターピルを服用したにも関わらず妊娠に至ってしまうのには、いくつかの主な原因が考えられます。これらの原因を知ることは、アフターピルを正しく理解し、将来的な失敗を防ぐために役立ちます。

服用タイミングの遅れや間違い

アフターピルの効果は、性行為から服用するまでの時間経過に強く依存します。早く服用すればするほど、避妊成功率は高まります。薬の種類によって推奨される服用時間(72時間以内、120時間以内など)が定められていますが、この時間を過ぎてしまうと、避妊成功率が著しく低下します。

例えば、レボノルゲストレル錠は性行為後72時間以内の服用で効果を発揮するとされていますが、時間が経過するにつれてその効果は段階的に下がります。ある報告によると、性交後24時間以内の服用での妊娠率は0.4%ですが、25~48時間での服用では1.2%、49~72時間では2.7%と上昇します[2]。このデータは、時間経過が避妊効果に大きく影響することを示しています。

また、服用タイミングの間違いも失敗の原因となり得ます。例えば、指示された時間よりも大幅に遅れて飲んでしまったり、複数回服用が必要な種類の薬で2回目の服用を忘れてしまったりといったケースです(現在、国内で主流のレボノルゲストレル単剤やエラ錠は通常1回の服用ですが、古いタイプの薬や海外の個人輸入薬などでは2回服用するものもあります)。

アフターピルは、緊急性の高い状況で使用されるため、性行為があったらできるだけ早く、遅くとも推奨される時間内に服用することが何よりも重要です。

薬の成分吸収を妨げる要因(吐き戻しなど)

アフターピルを服用した後、薬の成分が体内に十分に吸収される前に体外に排出されてしまうと、薬の効果が十分に得られないことがあります。最も一般的なのが、服用直後の吐き戻しです。

アフターピルを服用後、約2時間以内に吐いてしまった場合、薬の成分がまだ十分に吸収されていない可能性が高く、避妊効果が期待できなくなることがあります。この場合、再度アフターピルを服用する必要があるか、あるいは別の対策を講じる必要があるため、速やかに処方を受けた医療機関や薬剤師に連絡して指示を仰ぐことが重要です。自己判断での再服用は避けましょう。

その他、消化器系の疾患があったり、薬の吸収に影響を与える可能性のある他の薬を服用していたりする場合も、稀に薬の吸収が妨げられる可能性が考えられます。ただし、これらは医師の指導のもとで適切に服用していればリスクは低いです。特に注意すべきは、服用後の吐き戻しです。アフターピル服用後は、可能であれば数時間程度、安静にしておくのが望ましいでしょう。

排卵日付近での服用とアフターピルの効果

アフターピルの主な避妊メカニズムは、排卵を遅らせたり、抑制したりすることです。これにより、性行為によって膣内に入った精子が、受精能力を持つ期間内に卵子と出会うのを防ぎます。

しかし、もし性行為があった時点ですでに排卵が終わってしまっていたり、排卵が非常に近く、アフターピルの作用が間に合わなかったりした場合、排卵を抑制するという効果は期待できません。この場合、受精や着床を阻止する他の作用に期待することになりますが、これらの作用についても100%確実ではありません。

特にエラ錠は排卵後の卵胞の成長を抑制する作用もあるとされていますが、完全に排卵済みの場合の効果は限定的です。

つまり、生理周期の中で最も妊娠しやすいとされる排卵日付近での性行為に対してアフターピルを服用した場合、他の時期に比べて相対的に失敗リスクが高まる可能性があります。アフターピルは排卵日予測に関わらず緊急時に使用されるものですが、生理周期を把握している場合は、排卵日付近であったかどうかを知っておくと、その後の妊娠可能性を考える上で参考になります。

アフターピル服用後の避妊失敗

これは意外に思われるかもしれませんが、アフターピルを服用した「その後」の行動が原因で妊娠に至るケースも少なくありません。

アフターピルの効果は、あくまで服用前の性行為に対するものです。つまり、アフターピルを服用したことによって、その後の性行為に対する避妊効果が生まれるわけではありません。

アフターピル服用後から次の生理が来るまでの間は、性ホルモンバランスが不安定になり、予測不能な排卵が起こる可能性があります。この期間に避妊具を使用しない、あるいは避妊に失敗する性行為を行った場合、その性行為によって妊娠するリスクが非常に高まります。ある報告では、緊急避妊法から次回予定月経まで性交しなければ妊娠率は1.1%だったのに対し、性交した場合は2.7%に上昇したとされています[2]。

アフターピル服用後も、確実に妊娠を防ぐためには、次の生理が来るまではコンドームを使用するなど、確実な避妊を継続することが不可欠です。

服用したアフターピルの種類

アフターピルにはいくつかの種類があり、種類によって効果の持続時間やメカニズム、避妊成功率が異なります。

現在、日本国内で主に処方されているのは以下の2種類です。

アフターピルの種類 主成分 推奨される服用時間 主な作用メカニズム 避妊成功率(目安)
レボノルゲストレル錠 レボノルゲストレル 性行為後72時間以内(早いほど効果が高い) 排卵抑制、子宮内膜の変化(着床阻止の可能性) 72時間以内:約85%
24時間以内:約95%
エラ錠 ウリプリスタル酢酸エステル 性行為後120時間以内(5日以内) 排卵抑制、排卵後の卵胞成長抑制 120時間以内:約98%

※避妊成功率は性行為からの時間経過などによって変動します。

海外から個人輸入されたりする薬の中には、ノルレボと同成分の製剤(72時間用)や、ヤッペ法(プラノバールなどの高用量ピルを2回服用する方法。副作用が強く、効果も劣るため現在では推奨されない)に用いられる薬、あるいは効果が不明な偽造薬なども存在します。

種類によって推奨される服用時間や効果が異なるため、誤った種類の薬を使用したり、推奨時間外に服用したりすることが失敗の原因となり得ます。また、個人輸入した薬は品質が保証されておらず、有効成分が不足していたり、全く異なる成分が含まれていたりする偽造薬であるリスクが非常に高いです。偽造薬は効果がないだけでなく、健康被害を引き起こす可能性もあるため、絶対に避けてください。

アフターピルが必要になった際は、必ず医療機関を受診し、医師の診察を受けて、ご自身の状況に適した正規の医薬品を処方してもらうことが最も安全で確実です。

アフターピル失敗のサイン・症状

アフターピルを服用した後、「失敗したかも…」と不安になった時に、妊娠の可能性を示すサインや症状がいくつかあります。これらのサインに気づいたら、自己判断せず、落ち着いて次のステップに進むことが重要です。

消退出血がない、またはいつもと違う出血

アフターピルを服用後、数日から2週間程度で「消退出血」と呼ばれる出血が見られることがあります。これは、薬によって一時的にホルモンバランスが変化し、子宮内膜が剥がれ落ちることで起こる出血です。消退出血が見られた場合、多くの場合は避妊が成功した可能性が高いと考えられます(ただし、消退出血があっても稀に妊娠していることもあります)。

しかし、以下のような場合は、アフターピルが失敗し、妊娠している可能性も考えられます。

  • 消退出血が全くない: 服用から2週間以上経っても出血が見られない場合。
  • いつもと違う出血: 生理のようなしっかりした出血ではなく、ごく少量のみだったり、普段の生理とは色や性状が明らかに異なったりする場合。これは着床出血である可能性も否定できません。
  • 出血のタイミングが遅すぎる/早すぎる: 通常の消退出血の時期から大きく外れている場合。

ただし、アフターピルによって生理周期が一時的に乱れることはよくあります。出血がないことやいつもと違う出血があったとしても、必ずしも妊娠しているわけではありません。しかし、不安な場合は次のサインと合わせて確認することが大切です。

生理予定日を過ぎても月経が来ない

アフターピル服用後の最も一般的な妊娠のサインは、生理予定日を過ぎても月経が始まらないことです。アフターピルはホルモン剤であるため、服用によって生理周期が一時的に遅れたり早まったりすることはよくあります。そのため、生理が遅れているだけの場合も多いです。

しかし、普段から生理周期が比較的安定している方で、生理予定日を1週間以上過ぎても月経が来ない場合は、妊娠の可能性を疑う必要があります。

生理遅延が、単なる薬の影響による周期の乱れなのか、それとも妊娠によるものなのかを自己判断するのは困難です。このサインが見られたら、次のステップとして妊娠検査薬の使用を検討しましょう。

妊娠検査薬で陽性反応が出た場合

妊娠検査薬は、尿中のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンに反応して妊娠の可能性を示すものです。hCGホルモンは、妊娠が成立すると胎盤から分泌されるため、妊娠初期のサインとなります。

アフターピルを服用した後、生理予定日を過ぎても月経が来ない場合や、妊娠のサインかもしれない症状がある場合は、妊娠検査薬を使用して確認してみましょう。

妊娠検査薬で正確な結果を得るためには、使用するタイミングが重要です。
一般的に、妊娠検査薬は生理予定日の1週間後から正確な結果が得られるとされています。性行為があった日から計算する場合は、約3週間後を目安にすると良いでしょう。あまり早く検査しすぎると、hCGホルモンの分泌が十分でなく、実際は妊娠しているのに陰性反応が出てしまう(偽陰性)ことがあります。

妊娠検査薬で陽性反応が出た場合、妊娠している可能性が極めて高いと考えられます。ただし、検査薬はあくまで補助的なものです。陽性が出たら、確定診断のために必ず医療機関を受診してください。

つわりなど妊娠初期に似た体調変化

妊娠初期には、つわり(吐き気、嘔吐)、胸の張り、眠気、だるさ、頻尿、味覚の変化、食欲不振や特定の食べ物への嗜好変化など、様々な体調変化が現れることがあります。

アフターピル服用後、これらの妊娠初期に似た症状を感じる場合も、「失敗したかも」と不安になるサインの一つです。

ただし、これらの症状は妊娠初期特有のものではなく、生理前のPMS(月経前症候群)や、アフターピル服用によるホルモンバランスの変化、あるいは単なる体調不良やストレスでも起こりうるものです。そのため、これらの症状だけで妊娠を確定することはできません。

不安な体調変化が見られた場合は、他のサイン(生理遅延、妊娠検査薬の結果など)と合わせて考慮し、必要であれば医療機関に相談することをお勧めします。

アフターピル失敗かも?と思った時の対処法

アフターピルを服用したのに妊娠のサインが見られる、あるいは妊娠検査薬で陽性が出たなど、「もしかして失敗したかもしれない」と感じた時、不安でパニックになってしまうこともあるかもしれません。しかし、このような状況こそ、冷静に、そして適切に行動することが非常に重要です。

まずは落ち着いて最終性交日を確認する

不安な状況で最初にやるべきことは、落ち着いて状況を整理することです。具体的には、妊娠の可能性のある最終性交日と、その性行為に対してアフターピルをいつ、どのような種類を服用したかを正確に思い出しましょう。

  • 最終性交日: いつ性行為があったのか、正確な日付をメモしておきましょう。これは、妊娠が成立しているかどうかの判断や、今後の対処法を考える上で最も重要な情報となります。
  • 服用したアフターピルの種類と服用日時: 処方された薬の名前、性行為から何時間後に服用したのか、服用した正確な日時を記録しておきましょう。医師に相談する際に必要な情報です。
  • 服用後の体調: 服用後に吐き戻しがあったか、その他の体調変化があったかなども思い出しておきましょう。

これらの情報を正確に把握しておくことで、自己判断せずに専門家(医師など)に相談する際に、より適切で迅速なアドバイスや診断を受けることができます。

妊娠検査薬で正確にチェックする

前述の通り、生理予定日を1週間過ぎても月経が来ない、あるいは性行為から約3週間が経過している場合は、妊娠検査薬を使用して確認しましょう。

妊娠検査薬は薬局やドラッグストア、オンラインストアなどで手軽に入手できます。製品に記載されている使用方法と、正確な結果が得られる時期をよく確認し、指示通りに検査を行ってください。

検査結果が陽性であれば、妊娠している可能性は極めて高いです。陰性であったとしても、まだ検査時期が早すぎる可能性や、ごく稀に偽陰性の可能性もあります。不安が続く場合や、数日〜1週間後に再度検査しても陰性だが生理が来ない場合は、自己判断せず医療機関に相談することが推奨されます。

妊娠検査薬の結果は、あくまでセルフチェックです。最終的な診断は医療機関で行います。

専門機関(婦人科クリニックなど)へ相談・受診する

アフターピルを服用したにも関わらず妊娠している可能性が高い場合、または妊娠しているか不安で仕方がない場合は、速やかに専門機関である婦人科クリニックを受診することが最も重要かつ適切な対処法です。可能な限り早い受診が推奨されています[2]。

医療機関を受診する際には、以下の情報を医師に伝えられるように準備しておくとスムーズです。

  • 最終性交日
  • 服用したアフターピルの種類と服用日時
  • 現在の生理周期の状況(生理が来ない、出血があったかなど)
  • 妊娠検査薬を使った場合は、その結果と検査した日時
  • 現在抱えている体調の変化や不安なこと

医師は、これらの情報をもとに、問診、内診、超音波検査、必要に応じて血液検査などを行い、妊娠しているかどうかを正確に診断してくれます。

もし妊娠が確認された場合、今後の選択肢について医師と相談することになります。選択肢としては、妊娠を継続するか、人工妊娠中絶手術を選択するかのいずれかとなります。どちらの選択肢を選ぶにしても、ご自身の心と体の状況を正直に医師に伝え、十分に話し合った上で、納得のいく結論を出すことが大切ですし、医療機関は様々な相談に乗ってくれる体制が整っています。一人で抱え込まず、専門家のサポートを得てください。

アフターピルで失敗しないための対策

アフターピルは緊急時の手段であり、常に100%の避妊効果を保証するものではありません。一度失敗談を知ると、その不安から「どうすれば失敗しないか」と考えるのは自然なことです。ここでは、アフターピルをより効果的に使用するための対策と、緊急時以外の避妊方法についても触れます。

性行為後の経過時間と薬の種類の関係

アフターピルの効果は、性行為から服用までの時間経過に大きく左右されます。早く服用すればするほど、避妊成功率は高まります。この原則は、アフターピルの種類に関わらず共通しています。

  • レボノルゲストレル錠(72時間用): 性行為後72時間以内という制限がありますが、特に24時間以内の服用で最も高い効果が得られます。性交後24時間以内の服用であれば妊娠率は0.4%と低いというデータがあり[2]、時間との勝負となる薬です。
  • エラ錠(120時間用): 性行為後120時間以内(5日以内)まで服用可能で、比較的長時間効果が持続します。72時間を過ぎてしまった場合でも選択肢となり得ます。

万が一の状況に備え、ご自身の近くで処方可能なアフターピルの種類や、それぞれの推奨される服用時間を知っておくことは重要です。また、予期せぬ事態に迅速に対応できるよう、事前に婦人科クリニックを受診して、緊急避妊薬について相談したり、必要であれば事前の処方を受けておくことも可能です。これは、性行為があった際に薬を探したり手配したりするタイムロスをなくし、早期服用につなげる有効な対策の一つです。オンライン診療を利用すれば、通院の手間なく相談・処方を受けることもできます。

正しい服用方法を守る

アフターピルを処方されたら、医師や薬剤師から指示された服用方法を厳守することが何よりも重要です。

  • 指示された量と回数を守る: 自己判断で量を増やしたり、服用回数を変えたりしないでください。
  • 水またはぬるま湯で服用する: 基本的には水で服用します。他の飲み物(特にアルコール)との併用は推奨されません。
  • 服用後の吐き戻しに注意する: 服用後2時間以内に吐いてしまった場合は、薬の効果が不十分な可能性があります。すぐに処方医に連絡して指示を仰いでください。可能であれば、服用後しばらくは安静にしていると良いでしょう。
  • 他の薬との飲み合わせを確認する: 現在服用している他の薬がある場合は、必ず医師や薬剤師に伝えてください。飲み合わせによっては、アフターピルの効果が弱まることがあります。

正しい服用方法を守ることで、アフターピルの持つ最大限の避妊効果を得られる可能性が高まります。

緊急時以外の避妊方法も検討する

アフターピルは、あくまで「緊急避妊」のための手段です。日本産科婦人科学会の指針でも、計画的な避妊法とは根本的に異なる緊急手段であるとされています[1]。失敗談を知って不安になったように、確実な避妊方法とは言えません。また、頻繁に使用することは体の負担になる可能性も否定できませんし、費用も高額になります。

性的な活動がある方にとっては、日常的に使用できる、より確実な避妊方法を検討することが、望まない妊娠を繰り返し心配する状況を避けるために最も有効な対策です。特に、緊急避妊法後は次の予定月経まで性交を控えるか、低用量ピルなどを継続して服用することが大切です[2]。

様々な避妊方法がありますので、ご自身のライフスタイルや価値観に合わせて選択することができます。

  • 低用量ピル: 毎日決まった時間に服用することで、排卵をほぼ確実に抑制する避妊法です。正しく服用すれば非常に高い避妊効果が得られ、生理周期の安定やPMSの軽減といった副効用もあります。医師の処方が必要です。
  • IUS(子宮内システム)/IUD(子宮内避妊具): 子宮内に小さな器具を挿入する避妊法です。長期間(数年)にわたって高い避妊効果が得られ、一度装着すれば毎日の管理は不要です。医師による挿入が必要です。
  • コンドーム: 男性が使用する避妊具です。性感染症の予防にも有効ですが、正しく使用しないと避妊効果が低下します。
  • 避妊リング(ペッサリー)、殺精子剤など: 他にも様々な避妊法があります。

これらの日常的な避妊方法について、婦人科クリニックで相談してみることをお勧めします。医師や助産師、看護師などの専門家が、ご自身の状況や希望に合わせた最適な避妊方法について、丁寧に情報提供やアドバイスをしてくれます。緊急避妊に頼る状況を減らすためにも、日頃から確実な避妊を実践することが、望まない妊娠やそれに伴う不安から身を守る最も確実な方法です。

まとめ:アフターピル失敗談から学び、適切な行動を

アフターピルを服用したにも関わらず妊娠に至る「失敗談」は確かに存在します。これは、アフターピルが持つ避妊効果が100%ではないことに起因しており、性行為からの服用タイミングの遅れ、服用後の吐き戻し、排卵日付近での服用、そしてアフターピル服用後の避妊失敗などが、主な原因として挙げられます。

失敗のサインとしては、消退出血がない、生理が遅れている、妊娠検査薬で陽性が出た、つわりなどの妊娠初期症状がある、などが挙げられます。これらのサインに気づいた時は、不安になるのは当然ですが、落ち着いて状況を整理し、速やかに専門機関である婦人科クリニックに相談・受診することが最も適切な対処法です。特に可能な限り早い受診が推奨されています[2]。医師は正確な診断を行い、今後の選択肢について一緒に考えてくれます。

アフターピルは日本産科婦人科学会の指針でも述べられている通り、計画的な避妊法とは異なり、あくまで緊急時の手段です[1]。その効果を最大限に引き出すためには、性行為後できるだけ早く、そして正しい方法で服用することが重要です。そして最も大切なのは、緊急避妊に頼る状況を減らすために、低用量ピルやIUS/IUDなど、日常的に使用できるより確実な避妊方法について検討することです。緊急避妊法後も、次の生理まで性交を控えるか、低用量ピルなどで避妊を継続することが、その後の妊娠を防ぐために大切です[2]。

不安な気持ちを一人で抱え込まず、信頼できる医療機関に相談してください。正しい知識と適切な行動は、ご自身の心と体を守ることに繋がります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療に代わるものではありません。アフターピルに関するご自身の状況や不安については、必ず専門の医療機関にご相談ください。

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